■認知症の発症を抑制する(予防する)食べ物とは?
認知症予防には規則正しい生活と栄養バランスの取れた食事が欠かせません。以下に挙げる食事・食材は認知症予防に特に効果的とされています。ぜひ、この機会に日々の食生活を見直してみてください。
基本的な食事から見直してみましょう
■間食や糖分
過多な間食や糖分の摂取は糖尿病のリスクを増加させるため、アルツハイマー型や脳血管性認知症といった認知症の一因となる可能性があります。間食の頻度を減らし、糖分の過剰摂取に警戒しましょう。
■摂取カロリー
カロリー摂取量が多すぎると肥満を引き起こし、それがアルツハイマー型認知症の発症要因の一つとされています。カロリーの摂取にも注意が必要です。
■塩分
認知症のひとつである脳血管性認知症は、脳梗塞から生じる場合があります。脳梗塞は高血圧によって引き起こされることが多いため、高血圧を促す過剰な塩分摂取は避けるべきです。
■バランスの良い食事
認知症の原因の一つに、脳内でアミロイドβタンパク質が異常に蓄積されることが挙げられます。このアミロイドβの蓄積を抑える成分として、DHAやEPAなどの多価不飽和脂肪酸や、カテキン、ポリフェノールなどの抗酸化物質の摂取が有効だとされています。ただし、過度な摂取は避け、特にポリフェノールが含まれる赤ワインなどのアルコール度数が高い飲み物を多量に摂取するようなことは避けましょう。
認知症の予防に効果的な食べ物
〇魚
サンマ、サバ、イワシなどの青魚は、DHAやEPAが豊富です。これらの成分は、記憶力や判断力の向上、血管の拡張といった効果が期待されています。ただし、血液をサラサラにする薬を服用している方は、これらの脂肪酸を多く含むものには注意が必要です。ご不安な場合は、主治医に相談してください。
〇緑黄色野菜・果物類
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、アスパラガス、いちご、オレンジなどはビタミンCとビタミンEを豊富に含んでおり、これらのビタミンは血中のコレステロール値を下げ、血管の老化を防ぐ効果が期待されます。
ビタミンが不足すると、肝臓で生成されるホモシステインが動脈硬化を進めることがあり、認知症の一因となるアミロイドβの増加にも繋がるため、食事のバランスを保つことが大切です。
〇コーヒー
コーヒーに含まれるカフェインは利尿効果があり、体内の余分なたんぱく質を排出する効果があるとされています。
〇緑茶
新茶のテアニン成分には、血圧上昇を抑える効果があるだけでなく、認知機能の低下も防ぐ効果があるとされています。
〇赤ワイン
赤ワインのポリフェノールは抗酸化作用が非常に強く、認知症予防に効果が期待されています。ただし、赤ワインはアルコール度数が高く、過度な摂取はかえって認知症の危険性を高めてしまいますので、適量の摂取を心がけましょう。
〇納豆
納豆を含む大豆製品は、中性脂肪やコレステロール値の改善に効果があり、これにより認知症のリスクを低減することが期待されます。特に納豆にはナットウキナーゼが含まれており、血栓を解消する効果があるため、日常的に取り入れると良いでしょう。
〇カレー
まだ研究段階ですが、カレーのスパイスの一つ、クミンには、認知症予防の可能性があると考えられています。
認知症になりやすい食べ物とは?
認知症のリスクを高める食品として、動物性脂肪(魚を除く油や脂肪)、マーガリン、ショートニングが知られています。これらは飽和脂肪酸を多く含むため、過剰に摂取すると動脈硬化を促進し、脳血管性認知症を引き起こす脳梗塞のリスクを増加させます。また、菓子パンや惣菜、ファーストフードなどを日常的に多く摂る食生活は、トランス脂肪酸の摂取量を増加させるため、これらの食品の摂取は控えめにすることが望ましいです。
監修:こころとからだのケアクリニック人形町 院長 益子 雅笛(ますこ みやび)