更年期とは
更年期とは、卵巣の活動性が下がり、生理が永久に停止する閉経前後の期間のことです。生殖期から生殖不能期への移行期だと言われています。
日本人女性の平均閉経年齢は50歳だと報告されています。そのため、45~55歳ぐらいの時期が、更年期だとされています。
更年期障害の原因について
卵巣機能の低下によって、エストロゲンの分泌量も少なくなることで発症します。エストロゲンの減少は閉経と同時に起こるものではなく、閉経の2年前ぐらいの時期から開始されます。それに伴って、黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)が多くなり、視床下部から下垂体、そして卵巣などに変化が起きます。そして視床下部は、持続的な機能亢進状態になります。視床下部の機能亢進は、視床下部に自律神経中枢があることから、自律神経中枢にも影響を与えます。そのため、自律神経失調症を招くこともあるのです。
更年期障害によってみられる症状
ホットフラッシュや腰痛、頭痛、めまい、冷え、肩こりなどの身体的症状
睡眠障害やうつ、不安、不満などの精神症状
ホットフラッシュ
結合型エストロゲン(CEE)を処方することにより「のぼせ」「ほてり」を軽快させることが可能です(平均2週間ほどで)。 2ヶ月後までには90%の女性が、CEEで治るとされています。発汗の治療においても有効です。
睡眠障害
更年期障害で多くみられる睡眠障害は、中途覚醒です。中途覚醒にはエストロゲンが有効とされています。 早朝覚醒はうつ病に多くみられます。
精神症状
エストロゲンが神経伝達物質の代謝を回転させたり、輸送させたり取り込んだりするのに関係していると近年報告されるようになりました。
認知機能
エストロゲンには短期記憶の改善効果があるという報告があります。 ホットフラッシュがみられず、かつ、抑うつ感や不安が強く現れている場合は、更年期障害ではなく精神疾患を発症している可能性があります。